2018年10月27日

カメラ選びガイド;スマホとデジカメではどちらが良いか?



行楽の秋。旅行など外出が多い季節になりました。
日帰りであれ、国内や海外への旅行であれ、カメラは必需品でしょう。そこで迷うのが、スマホにはカメラ機能がありますが、そのカメラで十分かということです。最近のスマホのカメラは綺麗に撮影できるだけに、これだけを持っていけば良いか、あるいは、カメラ専用機(以降デジカメと記述)を持っていったほうが良いか迷うところです。(この記事ではフイルムカメラについては触れません。またの機会に。)

結論を先に言えば、フォーカス、ノイズ、光学ズームなど基本的な性能がすぐれている点で、スマホのカメラはデジカメには太刀打ちできません。ということで、自分ならデジカメも持参します。

そこで、問題になるのは、多くの機種があるデジカメの中からどの機種を選択するかということです。デジカメにどんな種類があって価格はどれくらいかやどんなスペックに注目したら良いかをご紹介します。高価格帯のデジカメには、レンズ交換が可能な機種あるので、そうしたレンズの基礎知識にも触れたいと思います。ご紹介するのは、つぎの点についてです。
1.デジカメの種類と価格
(1)コンパクトデジタルカメラ
(2)デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ
(3)ブリッジカメラ(ネオ一眼)
2.デジカメのスペック
(1)画素数
(2)センサー
(3)ズームレベル
(4)ISO感度
(5)レンズの基礎

1.デジカメの種類と価格
デジカメの分類は、小売店ごとに違うといっても良いぐらい色々な分け方があるのですが、大きくは、レンズ交換ができない機種「コンパクトデジタルカメラ」とレンズ交換が可能な機種「デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ」です。
(1)コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)
ベーシックなデジカメは、コンパクトデジタルカメラ(あるいはオートフォーカスカメラ)と呼ばれています。いわゆるコンデジです。高性能化が進むスマホのカメラに対抗するため、コンデジはますます高性能になり、価格も上昇しています。この分野の価格帯は広く、1万円以下〜10万円と幅があります。コスパが良い機種が多いです。
(2)デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ
一般的な利用者なら、コンデジで十分にニーズを満たせるでしょう。しかし、もっと自分で細かい調節をしたい人、様々な状況で最高の画質を求める人には、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラがあります。デジタル一眼レフカメラはミラーとプリズムを内蔵しており、撮影される写真の画像をファインダーで確認できます。ミラーレスカメラも形状は似ていることが多いですが、ミラーの代わりにイメージセンサーを使用し、ファインダーや背面の液晶ディスプレイを通じて写真の構図を決められます。この種のカメラは、コンパクトシステムカメラやミラーレス・レンズ交換式カメラなど、メーカーによって名称は異なりますが、要するに、レンズ交換可能でミラーを内蔵しないカメラがこのカテゴリーに該当します。

デジタル一眼レフカメラもミラーレスカメラも、安いものは3〜4万円程度で購入できます。プロレベルのデジタル一眼レフカメラは60万円、高性能なミラーレスカメラは40万円を超えるものもありますが、これはレンズを除いた値段です。レンズ交換可能なこれらのカメラは通常、レンズ固定式のコンパクトカメラよりスペックが充実しており、動作速度も高速です。また、多くの場合、大型カメラはイメージセンサーも大きく、これは特に暗い場所で撮影するときなど、全般的な画質の向上につながります。

一般的に、最も高性能なカメラはデジタル一眼レフカメラでしたが、最近はミラーレスカメラも高性能になっています。例えば、ソニーのハイエンド機「α9」は、画素数など複数のスペックで競合するデジタル一眼レフカメラを上回っています。ただし、キヤノンやニコンといった大手メーカーのデジタル一眼レフカメラを購入すれば、はるかに多くの選択肢からレンズを選ぶことができます。安価な中古レンズも充実しています。また、デジタル一眼レフカメラは、通常ミラーレスカメラよりはるかにバッテリーが長持ちします。

(3)ブリッジカメラ(ネオ一眼)
他にも、ブリッジカメラ(ネオ一眼)という製品もあります。名前のように、オートフォーカスカメラと、より高性能なコンパクトシステムカメラやデジタル一眼レフカメラの間をつなぐ存在です。「ブリッジカメラ」という名称で呼ばれるとは限らず、コンパクトカメラと一緒にされている場合もあります。しかし、レンズ交換できないという共通点を除けば、マニュアル操作やズームなどの機能面では一般的にコンパクトカメラより優れています。少し高くてもいいカメラがほしい、でもレンズ交換は面倒という人にぴったりの選択肢です。価格は数万円〜数十万円とかなりの幅があります。

以上で、どのような種類のデジカメがあり、どれぐらいの価格帯かご理解いただけたでしょうか。どの種類のカメラが自分に合うか参考になったら幸いです。どんな機器の購入でもそうでしょうが、カメラ選びも最後は性能と価格のバランスを自分なりにとるしかありません。綺麗な写真を撮影したいというのはわかりますが、一般の方がプロ仕様の最高レベルの性能まで必要するとは思えませんし、使いこなせなければもったいないばかりか、かえって良い写真を撮影できないかもしれません。値段の落ちるカメラでも、良い写真を撮ることは可能です。ですから、スマホでしか撮影したことがない場合は、個人的にはコンデジを使って色々経験してから、一眼レフやミラーレスのカメラを購入したほうが良いと思います。
コンパクトデジタルカメラ
低価格:CANON「PowerShot SX720 HS
中価格:OLYMPUS「SH-3
中価格:SONY「DSC-RX100M3
中価格:CANON「PowerShot G7 X Mark II
高価格:SONY「DSC-RX100M5
デジタル一眼レフカメラ
中価格:CANON「EOS Kiss X8i レンズキット
ミラーレス一眼カメラ
中価格:PENTAX「ミラーレス一眼 Q-S1 ダブルズームキット
中価格:Nikon「Nikon1 J5 ダブルズームキット(J5WZSL)
高価格:SONY「α9

2.デジカメのスペック
カメラのスペックを理解するのに必要な画素数、センサー、ズームレベル、ISO感度、レンズの基礎(F値、焦点距離)についてご紹介します。
(1)画素数
スマホであれ、デジカメであれ、画素数は写真撮影デバイスの重要なスペックのひとつです。画素数とは、画像ファイルを構成するピクセル(画素)の総数のことです。例えば、3648×2736ピクセルの写真を撮影できるデジカメの場合、画素数は1010万画素です。画素数が高いと綺麗な写真が撮影できるように思いがちですが、重要なスペックはこれだけではありません。
(2)センサー
写真の質は、カメラに内蔵されているセンサーのサイズに左右されます。センサーが大きい方が、多くの光を受けることが可能で、昼夜にかかわらず、より高い画質の写真を撮ることができます。また、センサーが大きく高性能なほど、実質的に被写界深度の選択肢も増えます。被写体にピントを合わせて、背景をうまくぼかしたい場合などは、大きなセンサーが役立ちます。当然ながら、センサーサイズが大きいほど、カメラの価格も高くなります。次の専門用語を覚えておくとよいでしょう。より高価な中判カメラを除くと、最も大きいセンサーは「フルフレーム(フルサイズ)」(35mmフィルムと同等のサイズという意味)と呼ばれ、その後に「APS-C」、「1.5インチ」、「マイクロフォーサーズ」と続きます。また、高価格帯のコンパクトカメラには、しばしば「1インチ」のセンサーが採用されています。これは実際にセンサーの大きさが1インチというわけではなく、映像技術に使用されていた古い規格に由来する名称です。
(3)ズームレベル
ズームレベルは初心者にも理解しやすいと思います。要は、被写体にどれだけ接近できるかということです。ズームレベルに関しては、スマートフォンはデジタルカメラに太刀打ちできません。2倍光学ズーム(光学ズームは画質を犠牲にしない本当のズーム)のスマートフォンも登場していますが、これに比べると、ベーシックなコンパクトカメラでさえはるかに上を行っています。カメラの方が、レンズに多くのスペースを割くことができるためです。
(4)ISO感度
ISO感度とは、光に対する感度の規格です。デジタル写真の利点のひとつは、その場でISO感度を調整できることです。(フィルムカメラでは、このようなことはできません。)デジカメを選ぶ際は、ISO範囲(選択可能なISO感度の範囲)と、「ネイティブ」ISOまたは「ベース」ISO(ノイズが増えないISO感度)の数値をチェックします。ISO感度の高さは、高くなるほど写真に発生するノイズが増えるので、高いから良いというわけではありません。
(5)レンズの基礎
人物や風景、夜の写真など様々な状況の写真を撮影したいのであれば、複数のレンズを使い分ける必要があるかもしれません。レンズ固定式とレンズ交換式、どちらのカメラを探すにせよ、レンズのスペックにはいくつかの専門用語が使われているのでご紹介します。ここで紹介するのは、F値と焦点距離です。
F値
F値は、レンズの口径がどのぐらい大きく開いて光を取り込むかを示す値で、大きいほど多くの光を取り込むことができます。(F値が小さいほど口径は大きくなるので注意。つまり、開放F値が 2 のレンズより 1.4 のレンズの方が、多くの光を取り込めます。)
一般的には、ズーム機能がないレンズの方が口径が大きいため、レンズを購入する際は、どちらの要素が重要かをよく考えます。さらに、F値は写真の被写界深度にも大きく影響します。レンズ口径が大きいほど被写界深度が浅く、背景がぼけやすくなるのです。人物写真家が被写体のみにピントを合わせるため、F値が非常に小さいレンズを使用するのはそのためです。
焦点距離
焦点距離は、レンズを装着したときの画角を簡単に示す数字として用いられます。ただし、カメラに搭載されているセンサーサイズの違いによって、実際の有効画角は変化するので注意が必要です。低価格帯と中価格帯のデジタル一眼レフカメラではほとんどの場合、焦点距離18〜55mmの「キットレンズ」が付属しています。このレンズは広角から短望遠までカバーするため、「標準」ズームレンズと呼ばれています。

3.最後に
以上、デジカメについてポイントを説明しましたが、もちろんデジカメの世界はもっと深いので、この記事では足りません。しかし、この記事に書かれているポイントを押さえれば、デジカメの基礎知識はご理解いただけたとおもいます。機種選びの参考になればとおもいます。




posted by AKI at 01:25 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする